【S&S CYCLE】T124 公認取得エンジン載せ替え(何故124ciなのか?)

2020年2月25日

プロトが提案する、S&S CYCLE T124エンジン ”公認” 載せ替えですが、本国S&Sでは、111ci (1820cc) 、124ci (2030cc)、143ci(2240cc)の3種類が設定されているなかで、124ciエンジンでの公認取得を行い、商品化しております。

 

 

3種のエンジンから何故T124を選択したか、といいますと、実は排気量ではなく、”ストローク/ボア比(S/B比)”に着目した結果なのです。
各エンジンの構成は、T111とピストンを共有し、ストロークを上げたものがT124、さらにピストン径を上げたのがT143でして、S/B比はそれぞれ、1.00→1.12→1.00。
T111とT143が”スクエア”、T124は”ロングストローク”に位置づけられます。
S/B比の小さいものはショートストローク=高回転出力に優れるディメンジョンです。逆にS/B比が大きいエンジン=トルク型と見てよいと思います。
その昔、20,000rpmまで回った国産250cc直4エンジンのS/B比が0.8前後、F1のエンジンだと0.5を切るものもあります。

同じ排気量・回転数であってもロングストロークエンジンはピストンの往復移動距離が長い為、ピストンの移動速度が速いのです。
よって、吸い込む混合気の流速も速い。ガソリンと空気が良く混ざり、燃料の気化も促進され、燃焼時の火炎の拡散速度も速い、ということで、燃焼が安定します。
ノッキングが出にくいので、スパークプラグの点火タイミングの設定自由度も大きくなりますし、燃焼効率があがり、燃費・排ガス・騒音特性までも改善されます。
低回転での気持ちよさには、こういった要因が関係しているのです。
一方、デメリットは”フリクションの増加” ピストンの移動速度も混合気の流速も高いわけですので...ですが、1シリンダあたりの排気量に余裕をもたせ、エンジン回転数を低めにすることで対応が可能なのです。

折角のエンジン載せ替えですから、ノーマルから大幅なスープアップはもちろんのこと、トルクデリバリーの気持ちよさやテイスティなアイドリング、クルージングを”合法”にてお届けしなくてはいけない。
そのための選択が ”S&S T124 ロングストロークエンジン” なのです。